配管の接続方法

配管には様々な接続方法があり、接続方法によって価格や施工性が異なってくる。接続方法は配管材の種類によっておおよそ決まっており、使用箇所や配管口径により適切な接続方法を選択する必要がある。配管の接続方法で一般的に利用されているものを以下に記載する。

なお、配管材はさまざまな種類があり、配管の流体や使用箇所によって使い分けることになる。配管の材料と配管の接続方法の対応については別記事にまとめた。

参考記事

差込(差し込み接続)

差し込み接続とは、配管材を配管継手に差し込んで接続する、硬質ポリ塩化ビニル管類に使われる接続方法である。有機溶剤を含んだ専用の接着剤を配管に塗ることで配管を溶かして接続する。接着剤はそれぞれの管種ごとに専用のものがあり、VP管やVU管用、HI管用、HT管用、RF-VP管用、耐火VP管用、空調用ドレン管用などがある。

VP管やVU管、HI管やHT管などの硬質ポリ塩化ビニル管の種類については別記事にまとめた。

参考記事
差し込み接続

それぞれの管種ごとに差し込み継手の種類が決まっている。

TS継手とDV継手

給水や給湯などに利用する配管は圧力がかかるため、差し込みしろの大きいTS継手を利用する。
硬質ポリ塩化ビニル管の一般管(VP管)ではTS継手、耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管(HIVP管)ではHI(-TS)継手、耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管(HTVP管)にはHT(-TS)継手を利用する。

排水や通気などの利用する配管は圧力がかからないので、TS継手より差し込みしろの小さいDV継手を利用する。
硬質ポリ塩化ビニル管の一般管(VP管)ではDV継手、硬質ポリ塩化ビニル管の薄肉管(VU管)ではVU(-DV)継手を利用する。

ねじ(ねじ込み接続)

ねじ込み接続とは、配管の端部をねじきり加工し、継手にねじ込む接続方法である。ねじきり加工部から漏水しないようにシール材を塗布する。鋼管類のねじきりの場合は、ねじきり加工部からサビが発生する恐れがあるので、配管にはさび止めを塗布する。主に鋼管類に利用される接続方法であり、ねじきり加工が難しくはあるがステンレス鋼管や硬質ポリ塩化ビニル管などでも利用されている。

ねじ込み接続

それぞれの管種ごとに差し込み継手の種類が決まっている。

管端防食継手(コア内蔵継手)

内部を樹脂でコーティングした管端防食継手(コア内蔵継手)は、水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管のどちらにも使うことができる。埋設以外に利用するVA管とVB管、PA管とPB管は通常のコア継手、埋設に利用するVD管とPD管は埋設配管用のコア継手を利用する。
さらにコア継手には、ステンレス鋼管のような異種金属接触腐食が起きるような配管と鋼管を接続するための絶縁継手がある。

参考予定>>異種金属接触腐食

なお、ライニング鋼管用の継手である管端防食継手(コア内蔵継手)が認可されたのが1993年頃であり、それまでのライニング鋼管の継手は通常の鋼管用のものが利用されており、サビの原因となっていた。よって改修現場などで配管の修繕の際はライニング鋼管であっても継手が通常の鋼管用である場合も多いので、既存配管の利用時は慎重な検討が必要になる。

VA管やVB管、PA管やPB管などの硬質塩化ビニルライニング鋼管の種類については別記事にまとめた。

参考記事

ドレネジ継手

ねじ込み接続には、排水管専用に作られた鋳鉄製の継手であるドレネジ継手もあり、通常の鋼管のねじ込みより飲み込みしろが少ない継手である。排水用の鋼管類で使用されている。

フランジ(フランジ接続)

フランジ接続とは、配管の端部をフランジ形に加工またはフランジ継手取り付けとすることで、配管同士をボルトナットで接続する接続方法である。
フランジ部から漏水しないようにフランジにガスケットを挟み込む必要がある。
主に鋼管類やステンレス鋼管などで使われる接続方法であり、ガスケットは配管種類や流体種類によって使い分ける必要がある。

参考予定>>ガスケット

フランジ接続
補足

組フランジ相フランジ

組フランジは、ネジこみ継手の一種であり、フランジとボルトナットが一体となったセットである。組フランジはフランジとボルトナットが一体となっているため、施工時には一旦外してガスケットやパッキンを挟み込み接続する。ボルトはフランジに付いているため、ボルト側を押さえずともナットを締めることができる。以前は多く利用されていたようであるが、現在はシェアが減っている印象がある。

相フランジは、管端のフランジの相手になる片側フランジを指す。相フランジの継手は、ネジこみ継手に限らず多く利用されている。溶接フランジやルーズフランジ、工場製作フランジなどのフランジは、相フランジである。

なお、規格が異なるため、相フランジと組フランジは接続はできない。
組フランジのほうが小さい。

溶接接続など

溶接接続

溶接接続とは、配管の端部同士を溶接により溶かして接続する接続方法である。
主に鋼管類やステンレス鋼管などで使われる接続方法であり、火気を利用するので十分な注意が必要である。
※鋼管類のうち、ライニング鋼管類では硬質ポリ塩化ビニルのコーティング部分が溶接により溶けてしまうため利用出来ない

溶接接続

堅ろう付け(ろう付け接続)

熱による変化が大きい金属類は、溶接接続を行うことが出来ない。その場合に別の金属を溶かしてろうにして、ろう付けにより接続する。
堅ろう付は融点が450℃以上の溶加材を用いるろう付け接続のことを言う。

主に銅管に使われる接続方法であり、りん銅や銀などを溶かしてろう材としている。火気を利用するので十分な注意が必要である。

軟ろう付け(はんだ付け接続、ソルダー接合)

熱による変化が大きい金属類は、溶接接続を行うことが出来ない。その場合に別の金属を溶かしてろうにして、ろう付けにより接続する。
軟ろう付は融点が450℃未満の溶加材を用いるろう付け接続のことを言う。

主に鉛管に使われる接続方法であり、鉛スズ合金などを溶かしてろう材としている。鉛管のほかに加工の容易さから給湯用の銅管も軟ろう付けにより施工することもある。火気を利用するので十分な注意が必要である。

なお、現在鉛配管は鉛中毒による健康被害を防止する観点から新規に配管することは推奨されていない。1995年には上水に利用することは全面的に禁止され、排水通気用鉛管も改修現場の衛生器具とのつなぎ部分でしか見受けられない。

熱間接合と冷間接合

接合方法のうち、熱を加えて接合するものを熱間接合といい、反対に熱を加えず常温で接合することを冷間接合という。配管の接合では、硬質ポリ塩化ビニル管ポリエチレン管の接合で使われる言葉である。

硬質ポリ塩化ビニルの場合、熱風を噴射しながら溶接棒を用いて溶接を行うことを熱間接合、上記に示した差し込み接続による接合を冷間接合という。以前は公共建築工事の標準仕様書にも記載があったが、現在は硬質ポリ塩化ビニルの熱間接合と冷間接合という表記は存在しない。

電磁融着継手による接続

電磁融着とは、融着のための電熱線を内蔵した継手の内面と配管の外面を加熱融着させる接続方法である。加熱には専用の機器を利用する。
その他の工法と比較し、接続に時間がかかるが接着力は優れているため、地中埋設の配管などに用いられる。
電磁融着の継手を利用できる配管は、ポリエチレン管類と、ポリブテン管架橋ポリエチレン管E種管である。

電磁融着

メカニカル継手による接続

メカニカル継手とは漏水防止脱落防止の仕組みを持った継手の総称であり、配管材の種類ごとに様々なメカニカル継手が開発されている。以下によく利用されているメカニカル継手を記した。

MD継手

MD継手は、ゴム輪を付けた配管を差し込み継手に押し込み、ボルトナットで締め付けることで漏水を防止する継手である。
継手と配管の間にすき間ができるため、配管の伸縮に対応できる。
排水管の接続方法で、各種排水用の配管に利用されている。

MD継手

拡管継手

拡管継手は、ゴム輪を継手に押し込み、袋ナット状の部品で締め付けることで漏水を防止する継手である。
配管端部拡管加工し、袋ナット状の部品は配管にひっかけることで取り付ける。
一般配管用ステンレス鋼管の小口径に用いられる一般的な接続方法である。なお、一般配管用ステンレス鋼管は肉厚が薄くねじきり加工に耐えられないため、この接続方法が主に使われている。

拡管継手

フレア式継手

フレア式継手は、袋ナット部分で配管端部を締め付けることで漏水を防止する継手である。
配管端部は配管材をラッパのように広げるフレア加工をしている。
主に銅管の接続方法で、ろう付けと異なり火気を使用しないという利点がある。

補足
 

フレア式継手は銅管専用のものが一般的であるが、フレア加工自体は肉厚が薄い金属管類に広く用いられている。
フレア加工は、主にフランジを取り付ける際の引っかかりとして利用されている。なお、フレア加工した配管に取り付けるフランジは配管と接着されておらず、フランジを回転させボルト穴の位置を自由に調整できる遊合フランジルーズフランジなどと呼ばれている。
ルーズフランジは配管内の流体と接触しないため、屋内配管であれば、配管材とルーズフランジを異種金属としても接触腐食が起きない

参考予定>>異種金属接触腐食

プレス式継手

プレス式継手は、継手部分で配管を圧縮し、かしめることで脱落を防止し、継手内のオーリング(О形のシール材)が漏水を防止する継手である。
銅管一般配管用ステンレス鋼管に利用される接続方法で、ろう付けと異なり火気を使用しないという利点がある。

M種管継手

M種管継手は、配管を差し込むことで、継手内のオーリング(О形のシール材)が漏水を防止し、ロックリングが脱落を防止する継手である。
配管を差し込むだけで接続できるため施工手間が少ない。ホースのように曲げても割れにくい特徴を持つ配管素材の、ポリブテン管架橋ポリエチレン管M種管用の継手であり、各メーカーごとに名称が異なる。

ポリブテン管や架橋ポリエチレン管は、基本的にはエルボ等を利用せず配管自体を曲げることで目的地に到達させる配管であるので、配管の末端以外は継手レスとなり、継手からの水漏れの可能性が少なくなる。

ハウジング継手

ハウジング継手は、配管と専用継手でガスケットを押し込み、ボルトナットで締め付けることで漏水を防止する継手である。
配管端部に溝をつくるグルーピング加工を施して専用継手をひっかけることで取り付ける。
施工の手間が少なく工事の簡略化に貢献するが、簡易な工法として使用不可とされる場合もある。主に鋼管類やステンレス鋼管類で利用される接続方法であるが、ライニング鋼管類では利用できない。

ハウジング継手

ストラブカップリング継手

ストラブカップリング継手は、継手の内側全周のシールゴムを、継手外側のグリップ部品で挟み込み、グリップのボルトを締め付けることで漏水を防止する継手である。各メーカーにより様々な配管材に対応したストラブカップリング継手が開発されている。
施工の手間が少なく工事の簡略化に貢献するが、簡易な工法として使用不可とされる場合もある。

クランプ継手や圧着ソケット継手

クランプ継手や圧着ソケット継手は、配管の漏水部分の補修用の継手である。主に配管の改修工事で利用される継手で、新設配管では使用不可とされることが多い。各メーカーにより様々な配管材に対応したクランプ継手や圧着ソケット継手が開発されている。

クランプ継手は、ストラブカップリング継手と似たような継手形状で、継手の内側全周のシールゴムを、継手外側のグリップ部品で挟み込み、グリップのボルトを締め付けることで漏水を防止する継手である。

圧着ソケット継手は、継手の内側全周のシールゴムを、継手外側の圧着部品で挟み込み、ボルトナットを締め付けることで漏水を防止する継手である。

水路の接続(上水道や下水道)

上水は水道局から、道路などに埋設された配管(上水道)を通り各供給先に送られている。
排水は各施設の排水が集められて、道路などに埋設された配管(下水道)を通り下水道局などの処理施設に送られている。
これらの水路用の配管では、継手を設けず配管の片側に挿し口、反対側に受け口を設けることが一般的である。なお、挿し口と受け口を設けない水路用配管には、鋼管やステンレス鋼管を溶接したものや、ポリエチレン管を電磁融着したものなどがある。

ゴム輪接続(RR接合法)

ゴム輪接続とは、水路用の配管の接続方法の一種で、ゴム輪のついた受け口に、挿し口を押し込むことで接合させて漏水を防止する接合方法である。水路用の硬質ポリ塩化ビニル管(水道用硬質ポリ塩化ビニル管と下水道用硬質ポリ塩化ビニル管)や、コンクリート管、ダクタイル鋳鉄管で利用されている。

耐震継手接続

耐震継手接続とは、ゴム輪接続と同様に、水路用の配管の接続方法の一種で、ゴム輪のついた受け口に、挿し口を押し込むことで接合させて漏水を防止する接合方法である。さらに受け口についたロックリングが地震時の脱落を防止する継手である。ダクタイル鋳鉄管で利用されている。ボルトナット締め付けによりゴム輪を押しこむK形と、配管形状でゴム輪を押しこむT形とがある。

ダクタイル継手

接着接合(モルタル接続)

接着接合とは、水路用の配管の接続方法の一種で、配管端部に接着剤を塗布することで接続する。コンクリート管で利用されている。

コンクリート配管は、配管末端の形状でA形、B形、C形がある。直管形をA形、内径が75~900mmのソケット継手形をB形、内径が900mm~1800mmのインロー継手形をC形という。A形C形はモルタル接続、B形はゴム輪接続である。