室内機や室外機の形状

空調機の形状は、室の用途や納まりにより選択する。

セントラル空調は熱源がないため室外機はない。パッケージ空調機の室内機と外見形状は似ているが、セントラル空調機では冷温水管、パッケージ空調機では冷温水管が接続されている。

パッケージ空調機は冷媒管を通して、室内機の熱を室外機に送り放出する。基本的には室内機と室外機はセットで必要になる。なお、一部の室外機を持たないパッケージ空調機もあるのでこれについては別記事にまとめた。

参考記事

室内機の種類と形状

室内機の種類については以下にまとめた。

室内機名称 イメージ図
天井吊込 4方向天井埋込カセット形 4方向天井埋込カセット形
1方向天井埋込カセット形
2方向天井埋込カセット形
1方向2方向天井埋込カセット形
天吊形 1方向天吊形4方向天吊形
天井埋込ビルトイン形 天井埋込ビルトイン形
天井埋込形 天井埋込形
壁付 壁掛形 壁掛形
壁埋形 壁埋形
床置 床置形 床置チャンバー形床置ダクト形
床置スリム形 床置スリム形
床置ローボーイ形 床置ローボーイ形

4方向天井埋込カセット形

空調機が天井に埋め込まれる「天井埋込形」の一種。天井面を開口し、天井パネルのみが室内から見える。
パネルの中央に吸込口、パネルの4辺に吹出口がついている。吹出口が4方向であり偏りなく送風することができる。
最近では吹出口が360°全周しているラウンドフロータイプのものも多く出ている。
業務用エアコンとしては最も一般的な空調機の形状である。

1方向天井埋込カセット形、2方向天井埋込カセット形

空調機が天井に埋め込まれる「天井埋込形」の一種。天井面を開口し、天井パネルのみが室内から見える。
パネルの中央に吸込口、パネルの1辺または2辺に吹出口がついている。吹出口が1方向または2方向なので、4方向に比べ送風に偏りがある。
4方向より開口面が細長いため廊下や小部屋など天井面が小さい場所にも利用できる。

天吊形

天井下に設置する露出形の空調機。天井材または天井吊から支持をとる。
天井埋込形と異なり、天井開口が不要である。空調機の側面から吹き出しできるので送風に方向性を持たせることができる。空調機の下部に吸込口、空調機の側面に吹出口がついている。
一般的に天吊形というと、側面1方向に吹き出すタイプであるが、ダイキン工業(株)から天井自在形という側面4方向から吹き出せる形も出ている。

天井埋込ビルドイン形

空調機が天井に埋め込まれる「天井埋込形」の一種。天井面を開口し、天井パネルのみが室内から見える。
パネルに吸込口、側面にダクト接続口が吹出用についていて、空調機からダクトを伸ばして別の場所に吹出口を付けることができる。
パネル面が細長く意匠性に優れ、吹出口の位置を自由に決めることができる。
天井内に空調機とダクトが必要なため天井内占有率は高くなる。

天井埋込形

空調機が天井に埋め込まれる「天井埋込形」の一種。空調機は天井内に隠蔽され、側面にダクト接続口が吸込用と吹出用についていて、空調機からダクトを伸ばして別の場所に吸込口と吹出口を付けることができる。
空調機の設置位置が開口箇所に左右されず決定できるため、レイアウトの自由度が大きく、吸込口と吹出口の位置を自由に決めることができる。
天井内に空調機とダクトが必要なため天井内占有率は高くなる。

壁掛形

天井下に設置する露出形の空調機。壁から支持をとる。
空調機の側面に吸込口、空調機の側面下部に吹出口がついている。
通常、天井吊形より小型で能力も小さいため大空間には使用されない。
住宅用エアコンとしては最も一般的な空調機の形状である。

壁埋形

空調機が壁内に埋め込まれる空調機の総称。壁グリル(パネル)のみが室内から見える。
グリル上部に吸込口、グリル下部に吹出口がついている。
壁内に空調機を設置するためのスペースが必要になる。
大型のものは床置形を壁内に隠蔽する場合が多いので、壁埋形の空調機というと一般的には小型の空調機のことを指す。

床置形

空調機が床に取り付けられた「床置形」の一種。天井支持や壁支持に比べ、室内レイアウトへの影響が大きいが設置や点検が容易である。
空調機の側面に吸込口、空調機の上部にダクト接続口が吹出用についている。吸込口は通常は前側面についているが、後側面や左右のダクト接続口から空気を取り入れることもできる。その場合はオプション部品か改造対応で前側面の吸込口を塞ぐなどする、オールフレッシュ機などダクト吸込になることが決まっている機種は前側面に吸込口がそもそも無い場合もある。

吹出口はオプション部品かダクトによる製造で上部プレナム室で対応とするか、ダクト接続で必要箇所に送風することになる
ダクト接続できることから床置ダクト形と呼ぶ場合もある。

※床置形というと上記の設備用や工場用といわれる大型の機種を指すか、その他の床置形を指すかは業界や状況によっても異なるので、認識に相違はないか確認する必要がある。

パッケージ空調機のオプション部品については別記事にまとめた。

参考記事

床置スリム形

空調機が床に取り付けられた「床置形」の一種。天井支持や壁支持に比べ、室内レイアウトへの影響が大きいが設置や点検が容易である。
空調機の前側面下部に吸込口、空調機の前側面上部に吹出口がついている。
意匠性から壁内に空調機を設置するためのスペースを作り、隠蔽し使用する場合もある。
通常の床置形より薄型形状(=スリム)である。

床置ローボーイ形

空調機が床に取り付けられた「床置形」の一種。天井支持や壁支持に比べ、室内レイアウトへの影響が大きいが設置や点検が容易である。
空調機の前側面に吸込口、空調機の上部に吹出口がついている。
空調機の高さは窓の高さより低背形状(=ロー)なるよう設計されていて、主に窓からのペリメーター負荷の処理に利用される。

室外機の種類と形状

室外機には用途による形状の差はないが、必要能力により見た目が異なるので参考のイメージを紹介する。

室外機名称
大型 大型の室外機
中型 中型の室外機
小型 小型の室外機