便所や更衣室等の換気計算
換気回数による換気量の算定
特に考慮するべき臭気・熱・湿気・有害ガス・有害物がある場合の必要換気量は、人員による換気量のほか、臭気・熱・湿気・有害ガス・有害物の換気量を加えた数値とする必要があり
項目ごとに数値を計算し合算するのはやや煩雑なため、換気回数から計算する場合が多い。つまり、便所や更衣室の必要換気量は
必要換気量[m3/h]=室容積[m3]×換気回数[回/h]
により求める。換気回数は下表などから求めることができる。
室別の換気方式
換気種別 室名 | 換気方式 | 換気量 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
自然換気 | 第一種換気 | 第二種換気 | 第三種換気 | 換気回数 回/h |
||
付属室 | 便所・洗面所 | ○ | 5~15 | |||
ロッカー室・更衣室 | ○ | 5 | ||||
書庫・倉庫・物品庫 | △ | ○ | 5 | |||
コピー室・印刷室 | ○ | 10 | ||||
シャワー室 | ○ | 5 | ||||
浴室 | △ | 5 | ||||
脱衣室 | △ | ○ | 5 | |||
食品庫 | ○ | △ | 5 | |||
喫煙室 | △ | ○ | 計算式 | |||
火を使用する室 | 湯沸室 | △ | ○ | 5、計算式 | ||
厨房(ガス) | ○ | 40~60回/h、計算式 | ||||
厨房(電気) | ○ | 20回/h以上、計算式 | ||||
熱源機械室・電気室・ エレベーター機械室・駐車場等 | ボイラー室 直だき吸収冷温水機室 | ○ | △ | 計算式 | ||
圧縮式冷凍機室 | ○ | △ | 5、計算式 | |||
吸収式冷凍機室 | ○ | △ | 5~10 | |||
コージェネレーション設置室 | ○ | 計算式 | ||||
空調・衛生機械室 | ○ | △ | 5 | |||
受水タンク室 | ○ | △ | 4 | |||
オイルタンク室 | ○ | △ | 5 | |||
高圧ガスボンベ室 | ○ | △ | 5 | |||
電気室 | ○ | △ | 計算式 | |||
配線室(EPS) | △ | △ | 4 | |||
発電機室 | ○ | △ | 4 | |||
エレベーター機械室 | ○ | △ | 計算式 | |||
駐車場 | △ | ○ | △ | 10回/h、25m3/hm2 |
建築設備設計基準:平成30年度版
※駐車場の値は「駐車場法施行令の一部を改正する政令(平成28年)」にて自動車の環境性能が向上したこと等から10回/h、25m3/m2hから現状の規定14m3/m2hに改正されている。
例題
問題
10m3の室容積の多目的便所の換気量を求める。
解答
表より、便所の換気回数は5〜10回なので、換気回数5回/hとすると
必要換気量[m3/h]=室容積[m3]×換気回数[回/h]=10m3×5回/h=50m3/h
※便所は換気回数が5~15回/hと幅があるので設計者が選択する必要がある。
通常は安全側の15回とするのが好ましいが
今回の私の例では、使用者は介助者の手助けなく便所を利用できる人に限られており在室密度は高くないと考え5回/hを選択している。