排煙ダクトなどの圧力損失計算例題

ダクトの圧力損失計算については以下にまとめた。この記事では、排煙ダクトなどの分岐や合流を持つダクトの圧力損失計算について、例題をもとに解説している。
参考記事 ダクトの圧力損失計算

なお、この記事ではエクセルで作成したダクト損失計算書を使用している。
参考>>計算書

設備手帳や茶本では全圧基準の抵抗係数が記載されているため、全圧基準での計算による利用を前提としている。
動圧は入口風速から求めるのが基本であるが、合流継手では出口風速から求める。吹出口や吸込口は有効開口面積風速から動圧を求める。

計算書ではダクト寸法に出口寸法を記入し、局部の抵抗係数は茶本の値を参考にしている。
なお、全圧基準での算出のため、送風機の吐出動圧分を差し引いて全抵抗としている。
参考書籍 茶本(環境課監修の建築設備設計基準)

排気ダクト(合流あり)の圧力損失計算例題

以下の排気ダクトの場合の圧力損失を求める。ダクト径は定圧法にて決定している。
2つの給気から風量2000m3/hを吸込み、ガラリから4000m3/h排気される。
最も圧力損失が多いと考えられる系統は末端の2000m3/hであり、経路の途中に2000m3/hの合流がある。

ダクトアイソメ
静圧計算

給気ダクト(分岐あり)の圧力損失計算例題

以下の給気ダクトの場合の圧力損失を求める。ダクト径は定圧法にて決定している。
ガラリから風量4000m3/hを吸込み、2つの吹出口から2000m3/hずつ給気される。
最も圧力損失が多いと考えられる系統は末端の2000m3/hであり、経路の途中に2000m3/hの分岐がある。

ダクトアイソメ
静圧計算

排煙ダクトの圧力損失計算例題

以下の場合の排煙ダクトの圧力損失を求める。
排煙ダクトであるため、高圧ダクトになり等速法にて風速10m/s程度でダクト径を決定している。
最も圧力損失が多いと考えられる系統は末端の4800m3/hであり、経路の途中にスリーブ(漸縮小~漸拡大)がある。
この系統は、隣室から3200m3/hの同時開放があり途中隣室からの風量が合流する。

排煙ダクトアイソメ
排煙ダクト静圧計算